1.背景
機構に特徴を有する製品について特許権を有するX社は、Y社に対し、その製品の製造販売はX社の特許権侵害であるとしてその製造販売の差止めと損害の賠償を求めた。しかし、Y社はその製品がX社の特許発明の技術的範囲に属さないと主張し、話し合いは決着しなかった。そこで、X社は調停を申し立てた。
2.申立の趣旨
Y社に、X社の特許権を侵害する製品の製造販売の中止と、過去の実施について適正な実施料の支払を求める。
3.被申立人の主張
Y社は、X社の特許発明を実施しておらず、その特許権を侵害するものではない。
4.争点
特許請求の範囲の製造方法による物の特定は、Y社製品が技術的範囲に属するか否かの判断に影響を与えるか否か。
5.結論
相互に譲歩することにより円満な解決が得られた。
6.本事例の特徴
調停人の判断が双方に尊重され、双方の譲歩により事件が解決された例です。訴訟で争うよりは時間、費用の点で利益があったものと思われる。